ポケモンカード市場の動向を探るうえで“海外需要”という言葉を目にする機会は多いかと思います。本記事では、ポケカ投資家が海外需要を分析する理由をはじめ、具体的な海外需要の調べ方、そしてそれが国内市場にどのような影響を及ぼすのかについて解説していきます。
ポケモンカード市場で海外需要が重要視される理由
ポケカ投資家が海外需要を意識すべき最大の理由は、海外需要が国内市場の先行指標になりやすいためです。
とりわけ、日本よりもTCG(トレーディングカードゲーム)市場規模が大きい欧米では、特定のカードの需要が急上昇すると、その資金の一部が日本市場にも流れ込む傾向があります。その結果、国内のポケモンカードの価格が上昇しやすくなるのです。
さらに、日本のポケモンカードは品質の高さが国際的に評価されており、シリーズの発祥地でもあることから日本語版カードは海外コレクターにも人気があります。そのため、英語版で需要が高まったカードがあれば、一定のタイムラグを経て日本語版のカードでも需要が高まり、国内在庫が減少することで価格上昇につながるケースがよく見られます。
海外需要の調べ方について
海外需要を調べる際におすすめのサイトは以下の二つです。
● TCGPLAYER
TCGPLAYERは、eBay傘下の米国最大のTCG通販サイトです。サイト内で売買されているカードの動向や過去価格の推移をチャートで確認でき、北米市場の需要を把握するのに最適なプラットフォームです。
● PriceCharting
PriceChartingは、eBayやAmazonの販売データをもとに作成された価格チャートを提供しており、世界全体での売買動向や需要を幅広く把握できます。このサイトも、海外市場をチェックするうえで非常に便利なツールと言えます。
実際の例をもとに今後上昇しそうなカードを考察
例えば、以下は11月17日時点でTCGPLAYERが提供しているマリィ[S4a 198/190]の素体のカード価格推移を示した画像ですが、直近3か月で約7%の価格上昇が確認できます。

さらに、PriceChartingのデータでも、同カードのPSA10が直近3か月で20%以上の上昇を記録しています。

一方、以下の画像で日本国内のスニーカーダンクで掲載されているマリィ[S4a 198/190]PSA10の価格推移を確認すると、直近3か月で約15%の下落。海外で上昇しているのとは対照的に、日本語版は価格が伸び悩んでいる状況です。

これらのデータを踏まえると、現時点ではマリィSRは国内需要よりも海外需要のほうが強いことが分かります。そのため、海外市場の資金の一部が今後日本語版にも流れてくる可能性が高く、数か月以内に価格が反転し、上昇する公算が大きいです。
■総括(まとめ)
ポケモンカード市場を分析するうえで、海外需要は重要な要素です。海外市場は国内よりも規模が大きく、特に北米市場の動きは日本の価格に直接的な影響を与えます。
英語版カードの需要上昇 → 日本語版への需要増加 → 国内在庫の減少 → 価格上昇
という流れは、過去にも何度も見られた典型パターンです。
そのため、TCGPLAYERやPriceChartingを活用して海外の売買動向を把握することで、国内市場の今後の値動きを事前に予測することが可能となります。投資としてポケモンカードを考える場合、国内相場だけでなく、海外市場を見て“先行指標を掴む”ことが勝率を上げる鍵になるでしょう。

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